ギリシャで最も有名で、おそらく最もギリシャらしい伝統的なワインはレツィーナであ り、アッティカはその中心的な産地です。レツィーナはギリシャ全土で生産することが でき、ギリシャとヨーロッパのワイン法に従ってトラディショナル・デジグネーション( ギリシャのふたつトラディショナル・デジグネーションのうちのひとつ)と表記されます が、更に地理的表示(PGI ギリシャ語でΠΓΕ)を付記できる特定の地域があります。
これらの地域の中で、アッティカは特定の原産地名を付記できる PGI レツィーナ・オ ブ・アッティキ Retsina of Attiki (ΠΓΕ Ρετσίνα Αττικής)を有する重 要な産地とされています。アッティカがレツィーナの生産の中心地となったのはごく最 近のことであり、今日ではこの有名な伝統的なスタイルのワインの最も重要な産地とさ れます。
醸造方法
アッティカの地理的表示ワインの PGI レツィーナ・オブ・アッティキ Retsina of Attiki (ΠΓΕ Ρετσίνα Αττικής)は白ワインとロゼワインが生産され、ロ ゼワインのレツィーナの生産量は少量に留まります。サヴァティアノとピンク色の果皮 のロディティスのみが PGI で許可されている品種であり、アッティカのすべてのブドウ 栽培地域のブドウを使用することができます。
レツィーナは、搾汁の発酵前または発酵中(元の糖度の 1/3 以下がアルコール発酵する 前)に特殊な松脂(アレッポ松の樹脂 Pinus Halepensis)を添加することによって造られ ます。松脂の添加合計量は現在、搾汁 100 リットルあたり最大 1 キログラムに削減され ていますが、品質志向のワインメーカーのほとんどは、モダンなニューエイジのレツィ ーナを造るにあたり、更に大幅に少ない量のみ使用します。レツィーナ造りのふたつの 重要な要因はその抽出時間と温度とされ、レツィーナの最終的な芳香プロファイルを決 定します。