歴史
歴史
アッティカにはワイン造りの長い歴史があります。気の遠くなるほど古代からワインは この地域で生産されてきたと考えられており、ヨーロッパでも最も古く、また最も重要 なワイン産地とされています。古くよりアテネにおいてワインは宗教的にも文化的にも、 生活の中で非常に重要な位置を占めており、ギリシャ人の生活の社会的、経済的、宗教 的並びに芸術的側面と結びついてきました。ギリシャの歴史の初期に、アテネの街は強 力な商業活動を発展させました。ワインを入れたアンフォラはありとあらゆる古代都市 に運ばれていましたが、考古遺跡や難破船で見つかったカイリックス(ギリシャの陶器) やクラテール(大型の甕)その他の陶器は、ワイン造りにおけるこの地の重要性を示し ています。
古代ギリシャでは「シンポジウム」(一緒に酒を飲むこと)は、食後に行われた宴会の一 部でした。ワインはこれらの社交イベントの要であり、ワインを楽しむ場には音楽やダ ンス、リサイタルや会話などが伴いました。それはまた、位の高い男性陣が議論した り、陰謀を企てたり、自慢したり、単にそこに集う人々との交流を楽しむフォーラムで もありました。更には、運動競技や詩を読むコンテストでの勝利など、社会的または家 族の業績を祝うためにもシンポジウムが開催されました。偉大な哲学や民主主義の理念 の数々が、アテネやエレフシナ、メガラ、マラソンなどの重要な古代都市の「シンポジ ア」(シンポジウムの複数形)で生まれました。 シンポジウムで議論されるトピックの多 くはしばしば哲学的であり、現代世界の偉大な理念となっています。
![history-pilino clay pot](http://winesofattica.com/wp-content/uploads/2022/08/history-pilino.jpg)
![history-glipto sculpture](http://winesofattica.com/wp-content/uploads/2022/08/history-glipto.jpg)
古代ギリシャ人はワインを愛し、忠実にその神ディオニソスを崇めました。アッティカ 陶器の芸術作品(図像学)に見られる視覚的なイメージとシンボルからは、ディオニソス 神への崇拝が見て取れます。ある伝説で、ディオニソスが旅の途中でアッティカを訪れ ました。そこで出会い、ディオニソス神を歓迎し丁重におもてなししたイカリオスはア テネ出身でした。ディオニソスはイカリオスの寛大なもてなしに対して、ブドウの樹と ワインを贈りました。また、喜劇や戯曲もディオニソス神の崇拝によってアッティカで 誕生しました。
ワイン造りにおける 4000 年にわたって途切れることのない歴史を経て、アッティカのブ ドウ畑は今でもギリシャで最も重要で最大の産地のひとつです。ワインは古くより、そ して今でも常に人々の日常生活に不可欠なものとされています。